小沢和史プロフィール
小沢和史プロフィール
1974年静岡県生まれ。映像作家。詩人。
高校生時代には未だSLの走る田舎町でパンクバンド「赤まむし」のボーカル。ライブでは自分の尻尾を追いかけ回る犬のごとく、ずっと同じ方向に回転していた。ライブハウスにはパンク禁止令を出され、客の暴走族達の罵声には素直に謝り、会場となった町民会館では町長の写真立てを破壊してしまう、近所迷惑&小心者バンドであった。
20歳の時、福井ショウジン監督「ラバーズラバー」の音響スタッフに入る。
その後、映画監督を志し多摩美術大学二部芸術学科映像コースに入学。在学中に撮った映画「ファールグランド」「笑ってあげる」が、ぴあフィルムフェスティバル、イメージフォーラムフェスティバルなどに入賞、各地で上映された。
尚、インディーズ映画レーベル「12の眼」に所属し、定期的な上映会、作品販売、ネット発信も始める。2001年にはボックス東中野1日レイトショーで作品展も行われた。(詳しくは「12nome.com」まで)
卒業後は斎藤久志監督「痛いふたり」の美術助手などをやりながら、DVカメラを片手に日本各地を放浪。北は月山から南は屋久島まで山登りに興じる。この頃から詩を書き始め、朗読も始める。
2002年には8ミリカメラを持ってタイ−インド−ネパールを旅をした。
この旅の後、放浪者達の映画「叫ぶ埃(仮)」のシナリオ執筆に取り掛かる。
また2002年夏には元スターリンの遠藤ミチロウのライブ舞台美術を担当。現在28歳。
映像作品一覧
- 「青空ジュース」(1996年制作・ビデオ・6分・カラー)
海に佇む男と部屋に引き篭もる女達のノイズ塗れの冬の日。やがて彼らの妄想は共鳴し、海辺のプラグは女の部屋のコンセントに向かった...。1999年の作品「笑ってあげる」主演の小幡啓斗初出演作品。(尚、この作品に関して鈴木志郎康さんの曲腰徒歩新聞1997年7月23日「野ぼたんが咲いた」で解説してくれています。)
- 「首首ファンタジカ」(1998年制作・ビデオ・24分・カラー)
1999年の世紀末、人類は底知れぬ不安に襲われていた。そんな中その不安に立ち向かうべく2つの集団が現れた。一つは「カンフークラブ」。ホソ、チビ、デブ三拍子の彼らは忍耐と謝罪をモットーとして肉体の強化に励み世界の不安に立ち向かおうとする。そして、もう一つは「かわいっ子クラブ」。彼女らは少女漫画をバイブルとし、ファンタジーの魔力で世界を救おうとする。しかし、二つのクラブのリーダーが恋に落ちてから二つの組織はおかしくなり始める。果たして人類の未来はいかに?
- 「ファールグランド」(1999年制作・16ミリ・23分・カラー)
草野球チームの補欠のマルと自称レギュラーの井上とチアガールの裕子の3人は試合へ出かける朝、柵の無い屋上でおち合う。飼っていた金魚を河に逃がそうとする補欠のマルにレギュラーの井上は容赦なく、次々と大切な金魚達を殺していく。井上のことなど大嫌いなのに何故か一緒にいると安心するマル。試合の裏隅「ファールグランド」で繰り広げられる青春?残酷?
喜劇?
*イメージフォーラムフェス2000入賞、第二回京都映画祭入選、調布短編映画祭入選作品
- 「笑ってあげる」
心の病を持つ友人・小幡啓斗に捧げた、情けなくも切ない詩的ドキュメンタリー。山に囲まれた町に住む小幡くんは心の病を持っている。3年ぶりに会った作者はそんな小幡の心の病を治そうと撮影隊を引き連れて一夏を共にする。引き篭もりがちな小幡を引っ張り出し、ひと気の無い町民グラウンドに出向いたり、山に登ったりしながら作者はカメラを向けていく。そこで語られる小幡の言葉の一つ一つに一喜一憂する撮影隊達。しかし、一向に殻から出てくる様子を見せない小幡に作者は次第にいらいらしてくる。そして、カメラを回し始めて数ヶ月経ったある冬の日、ついに人気の無い町民グラウンドで小幡と作者は対決する事になった...。
*ぴあフィルムフェスティバル2000入選作品
「小沢和史詩集2002年7月」目次