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私小説的プアプア

私小説的プアプア








十五歳の少女はプアプアである

純粋桃色の小陰唇

希望が飛んでいる大伽藍の中に入って行くような気持でいると

ポンプの熊平商店の前にすごい美人がいるぞ(註1)

あらまあ奥さんでしたの

プアプアと少女の父親と私との関係は

二役で道路を歩いていると小石が転っていた

敵だ

敵を殺さなければ平和はないと今朝の新聞に出ていました

これがべトナムの真実だ

写真が5枚

歴史的宿命だ

写真が5枚

のどちんこがチクリ

そんなことをいっていると反動としての効果を上げる

広電バスの非常口を使え(註2)

血をきれいにする詩法なのだ

純粋桃色の小陰唇なのだ

もうひとりのプアプアが私の方に向って来る

またひとりプアプアが私の方に向って来る

遂にプアプアが私の方に向って来る

私はオーロラに包まれている

私は純粋ももいろに射精する

プアプアちゃん行っちやいや、ああ私の天使

それなのに教授は腕をひっつかんで大英博物館へ連れて行ったのだ(註3)

角のところに赤毛の日本女がいる、2本のももが透けている

彼女は処女だ

いや非処女だ

では賭けるとしよう

私は別に処女はすきでもないけど、きらいでもない(註4)
去って行くプアプアは父親をこわがっているのさ 男根さ おやじというのが叩いてピアノで十八万円もしたそうだ しかしながら処女は父親が犯し父親は非処女の舌にくるまってべ−コン巻き男根の日曜日の出勤で あらまあ奥さんでしたの 壁の穴は大きいでしょう (私が手淫しているのが見えましたか) 米国は卑怯だとフイン・タンフアト氏はいった(註5) 胸に轟きますね でありますから全国のカメラマンよ集結せよ 今や天皇陛下並び美智子妃殿下を ありとあらゆる角度のあらゆる日時において撮影せよ(註6) 当然明るみに出てくるであろう純粋桃色の突起物よ 私はプアプアと歩いていたのだが あれに会ったのさ あらまあ奥さんでしたの 白色になった小陰唇なの 鶏だ滝だ、羽ばたき飛び立つ巨大な滝(註7) 何とも二十年も連続して生きて来た広島の人たち 広島を一日も早く、東京へ立ち去りたい私 困ってしまうわ、あたし、だってその、あら、 セビロ屋のズボンの大安売りが始った(註8) 大急ぎで上の道を駈ける位に歩いて行くと 十五歳純粋ももいろのプアプアが向うから走ってくる 突然私は勃起して
     註1 一九六五年七月三日、広島市十日市町交叉点の歩道の        安全壁に二年前に書かれていた「愛の道路」という文字        は「ポンプの熊平商店」という字に変っているのを見た.      註2 広島市を走つているバス、一名青バスともいう.      註3 広島テレビ、七月三日午後入時外国製テレビ映画「泥        棒貴族」より      註4 戸田桂太氏六月二十四日付の私信より.      註5 七月三日毎日新開に岡村昭彦氏のべトコン副議長会見        記が載った.      註6 七月三日丸善広島支店で天皇の「相模湾カニ類」資料        展を取材して.      註7 七月三日八時三十分NHKテレビ「婚約未定旅行」を        見て退屈の余り.      註8 この特売で五五〇円のズボンを買った.