2001年生「空間表現基礎」後期演技構成2001・10・30
メンバー タイトル 内容 概評(鈴木志郎康)
1 青柳清美、穐田祐樹、
大森祥子、佐々木薫、
鈴木菜子、戸川瑞樹、
藤谷香子、渡辺亜沙子
しんしんひそひそ 主役の男がマイムで蛇口を
ひねりリモコンでテレビを
操作する、その水の音、ス
クリーンに天気予報、女子
アナが原稿読む、公園でボ
ール投げの子供など、舞台
の男女ボール投げ、電話の
女、男立ち上がる。
一人の男を囲む情報と男の意識を
顕在化させて見せ、検証しようと
いうのかな。その周囲の物事に対
する男自身の気持ちや感情が見え
難かった。内面と外界、その落差
を描こうとしたがうまく行かなか
った。
2 城戸清香、奥本真美、
京屋道世、笹野梓、
鈴木将也、戸田なつこ、
本間一騎
ペンタゴン、先輩 バスケットチームの最後の
試合、引退試合を勝てなく
て悔しがる先輩と、思い入
れなく入部した後輩のそれ
ぞれ勝手なことをいう意見
の相違。
先輩は引退試合だから頑張りたか ったと悔し泣きするが、後輩はバ スケット部に思い入れがなく覚め ている。その対比。熱血にという 感情に対するストレートな批判。 シチュエーションは出来ていた が、演技者が人物になり切れてい ない。でも知合いまじめやってる とおかしい。
3 天野史郎、川崎草、
熊谷潤、佐藤朱美、
野上絹代、中林舞、
益子綾奈、綿間瀬樹
朝鮮の泣き女とその世話を する男の話。女たちは男の 報酬まで奪っていじめる、 彼の涙。女が一人づつ減っ ていき、最後に男の葬式で 女たちが笑う。 泣き女の嘘泣きと、マネジャーの 本当の悔し泣きの対比。構成はよ かったが、女が減っていくの理由 が不明。ささげる写真を換えてこ だわりの演出だったが、効果が薄 かった。嘘泣きの演技が今ひと つ、草君がよかった。
4 池田菜々、川崎祐太、
小杉友子、佐藤すすみ、
大道寺梨乃、丹羽良徳、
松浦歩、木村朋美
そろそろ勃起!! 「あなたの隣にいる人の呼 吸を観察しない」で始る。 真っ暗にして、ラジオノイ ズ、ストロボフラッシュ、 ふんどしの男、水着の女、 浴衣、叫び、海浜の情景と 脱場面化。「勃起しなさ い」で点灯して終わる。 女子の叫び声がよく聞き取れな い。指示、叫び、ノイズの位置付 けが曖昧だった。心意気は買う が、3つの流れの絡みが計算不足 で、十分に意図が伝わってこなか った。
5 伊藤千恵、川田佳代、
小林由衣、篠崎ゆう、
高田寛之、貫田将文、
松田由美
何じゃ(NJ) 泣ける飲料を飲む人たち、 その中の本当に泣けない男 が仲間たちに「本当に泣く ということ」を問い糾す、 取り合ってくれない仲間、 仲間が差し出す薬を飲んで 倒れる。 本気と安易な快楽に流れる気分と の対立。本気が負けるというニヒ リズム。問題提起の構成は出来て いたが、安易な快楽をペットボト ルの愛飲者で表したのに、それに 対するこだわりが希薄で、演技が 散漫だった。
6 大志田麻衣、川田夏美、
駒形千紘、篠田千明、
角南誠、竹内仁美、
石田亮介
ザ・最古利達(もっこりーず) ロックシンガーの頭の中、 記憶が行き違って、うまく 行かない、汗を集めるバケ ツ持ち女の登場、ピー子を 巡って記憶の違い。演奏の 盛り上がりへ。 ステージと脳内のシーンの切り替 えが分らない。バケツ女の役割も 不明。つまり話は解らない、最初 の設定をはっきりさせなければ、 記憶のピー子についての思い違い の意味が解らなくなる。楽器を奏 でる盛り上げで見せてしまった、 ということ。
7 大滝まゆ、河野竜也、
小森まり、島田亜津子、
唯野友歩、野沢拓臣、
茂木祐子
B@BY 呼吸が合ったカップルと喧 嘩ばかりしてるカップルの 話、ぴったりのカップルに 子供が出来て気持ちの行き 違い涙する。涙から水のイ メージへ。 二組のカップルの違いがよく出て いた。男が女の痛みを引き取るぴ ったり感、それにセリフのやり取 りのタイミングがよかった。妊娠 での行き違いで男が引き受けられ なくなるところを形で見せてほし かった。涙をイメージに置き換え るのは、飛躍が過ぎた。
8 大竹郁、北歩美、
斎藤朝子、島田衣里子、
田中俊恵、濱田未央、
山崎皓司
空気慈雨空洞楽団 水の入った器と塩の山、水 滴の音、歩いてきた男が 「もうすぐ雨が降る」とい うと塩の山のまえにねてい た女が「降らない」と答え る。、女が男に勝手に持っ てきた塩と水、雫の音、滑 って水がこぼれる、女が傘 さして終わる 難解なパフォーマンスだった。塩 と水を涙の要素として捉えて、そ れに向かう存在が人間という構図 を取りたかったのだろうと推測す る。女が涙をもたらすということ なのだろうが、その彼女が雨をよ ける傘を指すという優しさを示 す、と受け止めた。滑って転んだ ものたちは何だったのだろう。そ れが際立った印象を残した。
9 大谷梨絵、北川陽子、
斎藤美沙子、鈴木彬子、
原田史、横溝千夏、
渡邉眞子
じゅたいこくち 父と娘。娘が父の子を孕 む、永遠の幼虫ジュネモン シロアゲハの喩え。5人の女 が背景で鉄棒をやったり逆 立ちしたり屈伸運動したり して家具として「耐える体」 。前景客席でブリッジして いた女が堕胎の便器? 闇の中での親娘の対話がジュネモ ンシロアゲハの幼虫の喩えで近親 相姦の主題をくっきりとさせる。 女たちの体操が女性の身体イメー ジを呼び起こす。言葉と体のこの 設定がとてもよかった。最後娘の 態度がもうひとつという感じ。
10 太田和苑子、橘川孝子、
佐々木文美、鈴木聡子、
富樫こづえ、平野真希、
吉井裕子
テトラポット伯爵夫人達 1,2,3、、と遡って数えて重 力のない時代、、人は浮い て生活していた、という。 そこに現れたおじさんの鼻 の穴に豚の鼻の穴が乗り移 って、恥しがって泣いた、 おじさんの涙はコンクリー ト、地面に染みてそして重 力ができた。音楽とダン ス。 寓話仕立ての小さなミュージカ ル。鼻の穴を恥ずかしがったおじ さんが流した涙がコンクリートと なって重力が生まれたという話 は、発想が奇抜で引き付ける力を 持っていた。ダンスとセリフとで 見せた。演じた4人のキャラクター がセリフと動作でもっとくっきり とした方がメリハリがついた。
10月8日演劇についての庄山さんの講義、班分け、10月16日企画面接、10月23日中間報告、10月29日 演劇スタジオで照明設定、場当たり付け、10月30日午後練習、夜発表。3週間。