ハーモニカ船見渡す限りに並ぶ穴ぼこに潜り込み 腹をくねらせ、くねらせ、破裂させていけ エンジンルームで爆発するハーモニカなり 呪われた日曜日には 揺れる廃船置き場で 親指を突き立てる 潜水艦をヒッチハイクなり 骸骨船長、胸の牡丹を引き千切り 踊る骨をかき鳴らす 墓場には波を刻め! などと吠えながら 自分の骨を海に投げ込む 興奮した潜水艦、海水まき散らし 僕らはずぶ濡れ 骸骨船長の くねくねダンスに蹴り飛ばされて 咄嗟にしがみつく両腕は 飛び魚の羽がこちょりとくすぐる 錆びた砲台から発射された弾丸が 骸骨船長の頭蓋骨を貫いて 僕の胸の真ん中に宿る ハーモニカ船の出発だ 空は空っぽの空地だ 果ての無い日曜日のピクニックなのだ 夏の暑さというより その圧さに飲み込まれて 破綻の元に歓喜しろ! |