HYPERLITERAL












真美は笑いが止まらなかった。苦しくて、身体を折り曲げても、笑いが止まらなかった。お父さんのお腹の、上から、ヤドカニがコロコロっと転がり落ちた。お父さんのお腹の上で、這い出そうとしたヤドカニが、おへその辺りがピクッと動くと、身体を引っ込めて転がり落ちた。それは真美の小学校1年生の夏休みの、お父さんとお母さんと海水浴に行った日の<ことだった。その時撮った、真美を真ん中にした家族3人の写真が、額に入れられて部屋の書棚に飾られていた。