野村尚志詩集2000年11月

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ロシア語

ロシア語




もう二度と
決して会えない
会ったとしても
以前のようにはいかないだろう人が夢に出てきて
ロシア語の勉強をしている人だった
あたらしく見つけたと
素敵な器を見せてくれて
目覚めて
もう一度と思って
眠れたけれども
たぶんあらわれなかったでも
どうしてロシア語だったのだろう
その人がロシア語をやっているとは聞いたことがないし
私はロシア語といわれても読み書き出来ないし
独特の文字の形以外にぴんとこないでもなんとなく
外国語で思い浮かべれば
その人はロシア語という感じもしてきて
あの気取りのない
それでいて上品なマフラーのまきかたが思い出されて
とにかく夢だったにせよ会えたのはよかった



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