野村尚志詩集2000年11月

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床に一本の杭のようだった

床に一本の杭のようだった




明かりをつけるのを忘れているので
それならかわりに目を見開いたままねむることはできないのかと思うのだが
そんなことはできないのだ

真っ暗な部屋にはどこにも影というものがない

五本、指を開いてみた手

くちもとに近づけて
指と指のあいだに空気を送ってみて

ふーっ

それを聞いているのは耳
からだは立ったままだった

座った




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