小沢和史詩集2001〜2002

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沈黙の井戸にて

沈黙の井戸にて








 

 受信し過ぎた僕のラジオは

 満ち満ちた私の悪意と共鳴して

 雨宿りの地下室で俺は独りぼっち

 このまま眠りに落ちて

 沈黙の井戸に

 この忌わしきラジオを放り込み

 底無しの暗闇に何処までも落ちていけ



 そう願い何度も目を閉じたのだが

 気がつけば横たわって目覚めている私の

 誇らしきフクロハギは日に日に細くなり



 女は出て行った

 ラジオが発した

 たったひとつの投げかけた言葉で

 争う気力もなくして

 一瞬のうちに



 受信し過ぎた僕のラジオは

 満ち満ちた私の悪意と共鳴して

 雨宿りの地下室で俺は独りぼっち





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