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[ 鈴木志郎康映像個展 ]


鈴木志郎康作品『気息の微分』


(15分) 1992年 16ミリフィルム カラー




『気息の微分』の紹介


 この作品では、熱と水分が堅いパイプに穴を開けたり、割れ目を作ったりすることに驚いて、自然というものを受け止める感情をえがいた。この頃、わたしはパイプタバコを吸っていた。パイプの中は、数千度の高温になるという。それで、パイプの素材の堅いヒースの根も焼けてしまう。自分の吸い方が荒いからだ。また、パイプの内側に脂が溜まる。この脂が水分を吸収して、パイプに割れ目を作る。自分の手元に自然の強烈な力が働いている。それを知ったときの感情。自分の存在の空虚さ。それを日常生活から得た映像で語ろうとした。音楽は、短波放送から録音したものを使った。制作1992年。作者、57歳。



 パイプに穴が空く

 雪が積もる

 部屋の中では君子欄が咲く

 パイプの割れ目

 あじさいの芽を撮る

 穴が空いたり割れたりしたパイプ



撮影・構成・編集:鈴木志郎康
登場する人たち:鈴木志郎康

使用カメラ

 BEALIEU R16


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