from "CLIP ART CRAZY"

鈴木志郎康映像個展
Shirouyasu Suzuki Film Works Retrospective
時の堆積は自然と人を復活させる



主催 
横浜美術館
   〒220-0012 横浜市西区みなとみらい3丁目4番1号
   TEL.(045)221-0300 FAX.(045)221-0317
協力 イメージフォーラム
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映像個展チラシ


横浜美術館の開催趣旨

 戦後日本の個人映画史を語るうえでもっとも重要な作家のひとりである鈴木志郎康(すずきしろうやす) (1935年生まれ)の映像個展を下記の日程で開催します。
 1945年、生まれ故郷の東京・亀戸で空襲による戦災を体験し、終戦後17歳の頃から詩を書きはじめます。早稲田大学でフランス文学を学んだ後、NHKに入社してカメラマンとして勤務するかたわら1960年代半ばから個人映画の制作を開始します。1977年に3時間20分の長編映画<草の影を刈る>を制作したのをきっかけに、職を辞して本格的に映像作家としての活動をはじめます。
 また現在にいたるまで、映像制作と並行してことばによる表現活動も一貫して展開してきています。1968年には詩集『罐製同棲又は陥奔への逃走』によってH氏賞を受賞し、近年は、先駆けてインターネット・ホームページで詩を公開するなど、新しいメディアヘの表現の場の拡大にも積極的に取り組んでいます。
 現在は、多摩美術大学造形表現学部教授として、映像による表現を模索する若い世代の指導にあたり、その研究室から多くのすぐれた個人映像作家を輩出しています。
 本映像個展では、作家が最初につくった16ミリ映画である<日没の印象>(1975年)から、今年発表された映画<内面のお話>にいたるまでの約25年間にわたる鈴木志郎康の映像制作活動の全貌を、作家本人による時代を追っての自作に関する講演をまじえて紹介いたします。

(備考)ここでいう個人映画とは、映画産業によって商品として製作される映画作品とは異なり、 作家が映画を個人の表現のメディアとした作品のことです。


わたしこと、鈴木志郎康の感謝のことば

 横浜美術館でわたしの映像作品を回顧上映してくれるという、とても嬉しい。それが決まって、三カ月経って、うれしさが募ってきて、感謝の気持ちがあふれてきた。わたしの映像作品は「イメージフォーラム」を介して、いろいろなところで上映されているが、決して回数は多くはない。自分では作る方に熱心で、上映に奔走するということがなかった。そこが、わたしの欠陥なのだろう。だから、作品の資料というものが何もない。今度上映して貰えるというので、出来るだけ資料を揃えようと、フィルムからビデオテープになっていない作品はビデオカメラで再撮して、ビデオテープに揃えてから、そこから静止画を取り込み、Webのページを作る作業をやっていて、これらの作品を上映することを思い立って下さった人がいたということは、大変なことだ、と思うようになった。そう思うと、感謝の気持ちもだんだんと大きくなってきたというわけ。横浜美術館の人たちに、ありがとうございます。
 また、上映される25作品は全部で978分、16時間18分ですが、一人の人間の狭い生活空間の中で遭遇して来た人たちや物事、また彼が考えた来たことに立ち会えるという希な経験が出来ると思いますので、時間が許す限り見に来ていただきたいとお願いします。

開催期間 1999年10月8日(金)〜11日(月・休日)
会 場  横浜美術館レクチャーホール


料 金  一回券/当日600円(前売500円) 三回券/当日1500円(前売1200円)
     前売り券はミュージアム・ショップにて販売



横浜美術館発行パンフレットより転載

「商品にしたくない自分=鈴木志郎康」 かわなかのぶひろ
詩人が映画を作るということ 鈴木志郎康


「IMAGE FORUM シネマテーク NO.328」(1984年4月)より転載

「極私から極北へ」 かわなかのぶひろ

京都精華大学針畑生活資料研究会編「新しい映像の可能性をさぐる ’89」(1989年11月)パンフレットから転載

「鈴木志郎康の『風の積分』についての覚書」  野田真吉


「「UNDERGROUND CINEMATHEQUE NO.28」(1976年2月5日)より転載

「たとえば恋人の写真」 萩原朔美
「FILM MAKER'S NOTEBOOK 21●私自身の個人映画を辿って考える」 鈴木志郎康

「フィルムメーカーズ」 Vol.2 (1980年6月発行)の再録

「フィルムメーカーズ」 Vol.2 JUNE 19 1980 鈴木志郎康特集

上映スケジュール
10月8日(金)9日(土)10日(日/祝)  11日(日/休)
11:OO I(164分)*  A(124分) D(130分)  I(164分)*
13:10        講演1(40分) 講演2(40分) 
14:30  J(149分)*  B(200分)* E(127分)  J(149分)*
18:00 H(119分)  F(157分)* G(117分)
18:30  C(136分)  

各回入れ替え制です。
*印のプログラムには、途中休憩があります。
講演では、鈴木志郎康氏に自らの映画について年代を追って2回に分けて、お話しいただきます。
講演1は「1960年代〜70年代」、講演2は「1980年代〜90年代」
講演は、本上映会の入場チケットの半券で聴講できます。


上映プログラム
(上映作品の内容紹介。作品名をクリックして下さい。)
A 日記映画1 124分
<日没の印象>24分、1975
<夏休みに鬼無里に行った>13分、1975
<極私的魚眼抜け>7分、1975
<景色を過ぎて>80分、1976

B 日記映画2 200分
<草の影を刈る> 200分、1977

C 被写体となった私 136分
く写さない夜>46分、1978
く15日間>90分、1980(映画『15日間』ハイブリッド・テキスト版)

D 肉体について 130分
く比呂美一毛を抜く話>(出演/伊藤比呂美、ねじめ正一、ほか)
90分、1981
く手くずれ>30分、1982
く隠喩の手>10分、1990

E 出会ったものたちの映画 131分
くあじさいならい>(朗読/吉増剛造)54分、1985
<風を追って>42分、1985
く枯れ山搦めて>39分、1987
50分、1985

F 時は流れる 157分
く風の積分>102分、1989、ビデオ版
<気息の微分>15分、1992
く野辺逃れ>20分、1993
く時には眼を止めて>20分、1994

G 時を重ねて(還歴を迎えて)117
く角の辺り>15分、1995
く風切り>15分、1997
く芽立ち>34分、1998
く内画のお話>53分、1999

H 他人(ひと)を対象化するということ 119分
く眺め斜め>(出演/中沢新一)52分、1983
く荒れ切れ>(出演/ねじめ正一)30分、1984
くオブリク振り>(出演/川口晴美、岸和春)22分、1988
く戸内のコア>(出演/福間健二、福間恵子)15分、1991

1 セレクション1 1975年〜1980年 164分
<日没の印象>24分、1975
く15日間>90分、1980
くあじさいならい>50分、1985

J セレクション2 1985年〜1999年 149分
く風を追って>42分、1985
<枯れ山搦めて>39分、1987
く角の辺り>15分、1995
く内面のお話>S3分、1999


鈴木志郎康映像作品・写真展


[映画作品](Film)
  00『EKO Series』(1963 8mm film)
  01『ヒロシマでタクタム』(Taktam in Hirosima. 1965 8mm film)
  02『凶区のりものづくし』(Kyouku All the Vehicles. 1965 8mm film)
  03『nitrish wife−出産の神秘』(1965 8mm film)
  04『隅田川』(The River Sumida-gawa. 1966 8mm film)
  05『家』(The House.1966 8mm film)
  06『Kenokenoi動物づくし』(1966 8mm film)
  07『宣言』(Declaration.1966 16mm film)
  08『やべみつのり』15分(Yabe Mitunori a Runner.1967 8mm film 15m)
  09『アマタイアマアマ』(AMATAI AMA-AMA.1967 8mm film )
  10『アマタイ語録』(citations d'Amatai.1968 8mm film)
  11『胸をめぐった』18分(Around the Bust.1974 8mm film 18m)
  12『日没の印象』24分(Impression of Sunset.1975 16mm film 24m)
  13『夏休みに鬼無里に行った』13分(At Kinasa in summer vacation.1975 16mm 13m)
  14『記憶の土手』3分(The Bank in my memory.1975 16mm 3m)
  15『極私的魚眼抜け』7分(Slipping out of fish-eye.1975 16mm)
  16『景色を過ぎて』80分(Passing by Landscapes. 1976 16mm )
  17『草の影を刈る』200分(Hervesting  Shadows of Grass. 1977 16mm 3h20m)
  18『写さない夜』46分(A night when I cannot shoot. 1978 16mm)
  19『玉を持つ』3分(Holding Beads. 1979 16mm 3m)
  20『Landscape of Wind』(彫刻家・飯田善国)(1979 16mm)
  21『15日間』90分(15 days.1980 16mm 90m)
  22『肉声のことー詩人正津勉』54分(Natural Voice,a poet Syouzu Ben.1980 16mm)
  23『比呂美−毛を抜く話』(詩人・伊藤比呂美)90分(HIROMI - Pulling hairs.1981 16mm 90m)
  24『手くずれ』30分(Losing hand shape.1982 16mm)
  25『剛造ならい』(8mm 1982)
  26『メトロゲーム』(8mm 1982)
  27『無風ということ』(8mm 1983)
  28『眺め斜め』(宗教学者・中沢新一)52分(Looking obliquely.1983 16mm 90m)
  29『荒れ切れ』(詩人・ねじめ正一)30分(Cut violently.1984 16mm)
  30『あじさいならい』54分(Imitating the flower of Hydrangea. 1985  16mm)
  31『風を追って』42分(Run after the Wind.1985 16mm)
  32『gris gris sonores』8分(8mm 1986)
  33『枯れ山搦めて』39分(Involving the dry mountain. 1987 16mm)
  34『オブリク振り』22分(Au mode oblique.1988 16mm)
  35『風の積分』102分、全420分(Integration of Winds.1989 8mm film 420m)
  36『隠喩の手』10分(Metaphorical Hands.1990 16mm)
  37『戸内のコア』(詩人・福間健二)15分(The core of family.1991 16mm)
  38『気息の微分』15分(Differentiation of Breath. 1992 16mm)
  39『野辺逃れ』20分(Run away to  savage field.1993 16mm)
  40『時には眼を止めて』20分(Sometimes, watching contemplatively. 1994  16mm)
  41『角の辺り』15分(Sometimes,at the exclusive point,,, 1995 16mm 15m)
  42『歩いて』10分(On foot. 1996 16mm 10m) 
  43『風切り』15分(Cutting Winds.1997 16mm 15m)
  44『芽立ち』34分(The Budging Buds. 1998 16mm 34m)
  45『内面のお話』53分(A tale of inner talkings. 1999 16mm 53m)


[ビデオ](Video)
 01 『メトロゲーム』(Metro Game.VHS)
 02 『蓮の花』(歌・谷山浩子)(VHS)
 03 『ゲーテ記念館への道』(Hi・8 1992)
 04 『鈴木志郎康の「ゲーテ日記」』8時間(Hi・8 1992 8hours)

[写真展](Photo exhibition)
 01 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、清水画廊、1975年、『日没の印象』上映)
 02 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、FROG、1989年、『風の積分』上映)
 03 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、FROG、1990年、『風の積分』上映)
 04 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1991年、『風の積分』上映)
 05 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1992年、『風の積分』上映)
 06 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1993年、『風の積分』上映)
 07 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Jonus・Mekas snapshots 、Mole、1994年
             、『風の積分』上映)
 08 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1995年、『風の積分』上映)
 09 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1996年)
 10 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1997年、『風の積分』上映)
 11 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1998年、『風の積分』上映)
 12 鈴木志郎康写真展(Fisheye lens photos、Mole、1999年、『風の積分』上映)
 
 

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