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Image Forum Festival 2001『極私的にEBIZUKA』上映


鈴木志郎康作品『極私的にEBIZUKA』(40分)2001年制作






彫刻家海老塚耕一さん


生口島にある「空/海 YURAGI」


その部分、錆びた表面


沖家室島にある「水と風の光景」


鉄板の穴から覗く、水面に映った穴の光


神奈川県藤野町にある「揺らぎ・水と風の積分」


三ヶ月後の錆


『極私的にEBIZUKA』の紹介


 2000年の四月から海老塚耕一さんの作品を撮り始めた。海老塚さんは多摩美の教員で、たまたまわたしが勤める二部芸術学科を兼任されることになり、親しくなった。1951年生まれというから、16歳年下になるが、つき合ってみるとなかなか骨のある人であることが分かり、いろいろと学ぶこともあるので、いっそのこと作品を撮影して、近年余り見に行かなかった「現代芸術」というものについて、「考え、体験しよう」と思った。そして、我が儘をを言ってアトリエを訊ねたり、瀬戸内海の島にある作品を案内して貰ったりした。わたしにとって、2000年という年は海老塚さんの彫刻を巡っての一年ということになった。

 わたしは、彼の作品が自然の中に錆びるに任せて放置してあるというのがとても気に入った。人間関係の中でごちゃごちゃ書いている「詩」というものからすると、自然の作用を相手するという「物」として表現を実現するというやり方が、気持ちいいように思えた。この作品は、わたしのそういう気持ちの表れとして作られたので「極私的にEBIZUKA」とした。久し振りに「極私的」という言葉を使ったのは、自分の表現についても、振り出しに戻って考えてみようという気があったからだった。

 海老塚さんについては、もう少し撮りたい気がしている。この作品では出来た作品を追ったので、今度は作る現場に入り込んで見たい気がする。来年まで楽しみを取って置こう。



■『極私的にEBIZUKA』
 鈴木志郎康作品
 2001年/40分/カラー/サウンド/ビデオ編集で16ミリプリント
 (EBIZUKA in my own field 
2001 16mm color  40min.)

■スタッフ・キャスト
 監督・撮影・編集・構成・ナレーション:鈴木志郎康
 音楽:見木久ヲ
 出演:海老塚耕一
 協力:冨田友紀子、小沢和史
 
 撮影した海老塚耕一作品
 *「空/海 YURAGI」
  鉄
  120×593×453 
  1999年 広島県瀬戸田町(生口島)
 
 *「水と風の光景」 
  鉄、木(アゾベ)、石、沖家室島の水場
  47.5x490x410 
  2000年 、山口県東和町(沖家室島)

 *「揺らぎ・水と風の積分」
  鉄、鉛、アルミニューム、水、クリスタルワックス
  14×570×900
  2000年
  藤野国際アートシンポジューム(神奈川県藤野町)









「イメージフォーラム・フェスティバル2001」での
鈴木志郎康作品『極私的にEBIZUKA』の上映。


Bプログラム 東京・パークタワーホール    :4月29日(日)12時、5月3日(木)19時30分     横浜・横浜美術館レクチャーホール    :5月5日(土)13時     京都・関西ドイツ文化センター京都    :5月15日(火)16時30分、5月20日(水)14時

フェスティバルの詳しい内容は
IMAGE FORUM FESTIVAL 2001
でご覧下さい。
海老塚耕一さんの経歴

1951横浜市に生まれる 1979多摩美術大学大学院美術研究科修了 個展(主要) 1975「石」田村画廊/東京 1977「BOX−E/反射と同化」田村画廊/東京 1978「BOX−J/反射と同化」ときわ画廊/東京 1979「B0X−K/boxと仮定して」田村画廊/東京 1980「BOX−M/反射と同化」ときわ画廊/東京、「平面置換一BLUE」白銅画廊/東京 1981「連関作用」ギャラリー葉/東京、「連関作用」ウエストベスギャラリー/名古屋 1982「コンクリートと鉄・柱」ギャルリー・ところ/東京、「連関作用」ギャラリーホワイトアート/東京、「連関作用」ウエストヴェスギャラリー/名古屋、「連関作用一「連関作用一接点」多摩ニュータウン/永山団地第四公園・「現代美術のなかのビデオ」パルコギャラリーSpoB/東京 I983「連関作用」ギャラリー葉/東京 1984「連関作用」ウエストヴェスギャラリー/名古屋、「連関作用一木と鉄による彫刻・ドローイング」ギャルリー・ところ/東京、「連関作用」NEWS/東京 1985「連関作用一木の造形」ギャラリースペース21/東京、「連関作用一木挽」NEWS/東京 1986「連関作用一Insta11atiBScu1ptureDrawiJs」ギャルリーところ/東京、「連関作用」NEWS/東京 1987「小晶展」トーアロード画廊/神戸、「連関作用」ギャルリー・ところ/東京 1988「連関作用」ギャルリーところ/東京、「連関作用」ルナミ画廊/東京 1989「連関作用一Scu1ptureDrawings」ギャルリー・ところ/東京 1991第15回平櫛田中賞を受賞、「受賞記念展」日本橘高島屋/東京・井原市立田中術館/岡山県、「違関作用一潜在素/水より」ギャルリー・ところ/東京 1992「連関作用一木・鉄」日本橋高島屋/東京 1993「連関作用一地下からの眼差」日本橋高島屋/東京、「連関作用一スチールドローイング」ルナミ画廊/東京 1994「連関作用一表象・Wood」日本橘高島屋/東京 1995「連関作用一絵画」ギャラリーイセヨシ/東京、「連関作用一存在の制作」日本橋高島屋/東京 1996「連関作用一絵画」ギャラリーイセヨシ/東京、「静止した水」ルナミ画廊/東京、「連関作用一水の光景」日本橋高島屋/東京 1997「静止した水一水の風」ARTBOX/横浜、「海老塚耕一展」板室観光ホテル大黒屋/栃木、「海老塚耕一展」ギャラリー・イセヨシ/東京、「海老塚耕一展」日本橋高島屋/東京 1998「海老塚耕一展」養清堂画廊/東京、「海老塚耕一展」板室観光ホテル大黒屋/栃木 1999「せとだビエンナーレV」(広島県・瀬戸田) グループ展 1979「第5回大邸現代美術祭」大邸/韓国(招待) 1980「0PERATIONEQUINOX’80」ポンピドゥ・センター/パリ(招待) 1981「第2回ハラ・アニュアル」原美術館/東京(招待) 1982「第18回今日の作家展・ノヴェンバーステップス」横浜市民ギャラリー(招待) 「昭和57年度多摩美術大学芸術祭特別展」多摩美術大学実大学八王子校舎(招待) 1983「ルナミ画廊20周年記念展」ルナミ画廊/東京(招待) 「現代美術の新世代展」三重県立美術館/津(招待) 「現代美術の展望立体造形」富山県立近代美術館/富山(招待) 1984「鮮烈なる断片一無限を見据え、カオスと渡り合う行為」ギャラリー葉/東京 1985「現代彫刻の歩み一木の造形」神奈川県立県民ホールギャラリー/横浜(招待) 「アーティスツ・ブックス展」フランクリン・ファーネス/ニューヨーク、フジテレビギャラリー/東京(招待) 「3人展」スーキャラリー/大都/韓国 1986「第6回インド・トリエンナーレ」ラリットカラアカデミー/ニューデリー/インド、ゴールド・メダルを受賞(招待) 「[現代美術展]アジアとの対話/日本からのメッセージ」ICANagoya/名古屋(招待) 1987「美との対話.87」富山県立近代美術館/富山(収蔵品による) 「もの派とポストもの派の展開1969年以降の日本の美術」西武美術館/東京(招待) 「第19回サンパウロ・ピエンナーレ」イビラプエラ公園内パビリオン/サンパウロ 1988「第4回アジアンアート・ビエンナーレ」シルパカラアカデミー/ダッカ/バングラディシュ、最優秀作家賞を受賞(招待) 1990「現代彫刻の歩み皿物質と空間の変容一1970年以降の表現」神奈川県民ホールギャラリー/横浜(招待) 「プライマル・スピリットー今日の造形精神」ハラ・ミュージアム・アーク/群馬、ロサンゼルス・カウンテイ美術館、シカゴ現代美術館、フォート・ワース近代美術館、カナダ国立美術館/オタワ(〜1991年)(招待) 「第4回宮山国際現代美術展」富山県立近代美術館/富山(招待) 1993「アートイン白州」白州町/山梨 1994「第4回現代日本木刻フェスティバル」関市文化会館/岐阜(招待) 1995「渋澤龍彦画廊」日動画廊/東京(招待) 1996「〈水彩の網>展n」ギャラリー手/東京 1997「箱・その字宙展」ギャルリーユマニテ/東京、名古屋 「ふれあい彫刻展」宮崎県立美術館/宮崎 「モンドマルサン彫刻展」モンドマルサンの公共空間/フランス(招待) 「インサイド」カッセルと周辺の町の公共空間/ドイツ(招待) 「奥野健男と多摩美の作家逢展」電通恒産画廊/東京 1998「文化庁買上優秀美術作晶披露展」日本芸術院会館/東京 「ACAF6」ロイヤルメルボルンエキヴィジションセンター/オーストラリア


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