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マンガの作者は、シーガー

ポパイ


水の力士・ポパイの
罐に包まれた陰の茎。
それをかりそめに
人はホウレン草と呼んだりするのだが
そんなことは
ポパイの慰めにはならない。

陸に上ったポパイが
自慰のために使うぬるい果汁。
それをかりそめに
人はオリーブと呼んだりするのだが
そんなことは
ポパイの知ったことではない。

錨の腕でポパイが
毛布の波打際を浚って捜す萎えた芯。
それをかりそめに
人はパイプと呼んだりするのだが
そんなことは
ポパイの弁解には役立たない。

だから
ポパイのホウレソ草は
ポパイのオリーブは
ポパイのパイプは
汝の韻を録音したテープのように
しなやかに弾んでくきやかなのだ。(*1)
いっぽう
ぼくたちはといえば
いつだって
砂まじりのホウレソ草
熟しすぎたオリーブ
挨だらけのパイプだけを
噛んでしかこなかったというのに。

        *オリープは、ポパイの恋人の名でもある。

        webpage制作者註
          (*1)「くきやか」に傍点あり。



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