マンガの作者は、シーガー |
水の力士・ポパイの 罐に包まれた陰の茎。 それをかりそめに 人はホウレン草と呼んだりするのだが そんなことは ポパイの慰めにはならない。 陸に上ったポパイが 自慰のために使うぬるい果汁。 それをかりそめに 人はオリーブと呼んだりするのだが そんなことは ポパイの知ったことではない。 錨の腕でポパイが 毛布の波打際を浚って捜す萎えた芯。 それをかりそめに 人はパイプと呼んだりするのだが そんなことは ポパイの弁解には役立たない。 だから ポパイのホウレソ草は ポパイのオリーブは ポパイのパイプは 汝の韻を録音したテープのように しなやかに弾んでくきやかなのだ。(*1) いっぽう ぼくたちはといえば いつだって 砂まじりのホウレソ草 熟しすぎたオリーブ 挨だらけのパイプだけを 噛んでしかこなかったというのに。 *オリープは、ポパイの恋人の名でもある。 webpage制作者註 (*1)「くきやか」に傍点あり。 |