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[ 鈴木志郎康映像個展 ]


鈴木志郎康作品『15日間』    


(90分)1980年 16ミリフィルム カラー




『15日間』の紹介


 この作品は、『写さない夜』を撮って、格好を付けている自分の姿しか写ってないと感じて、もっと自分自身を暴露するという意図で作った。作ろうと思ってみたものの、いざ始めようとすると怖じ気ついて、カメラのアンプの故障と思い込み二日延ばしで始めた。しかし、口の動きと音声が合わないと理由を付けて、カメラの正面に向き合うのを避けて、後ろ向きでの撮影となった。一週間撮って、そのフィルムのラッシュを見て、見たこともない自分の姿に心が動転。更に撮り終わってからも、フィルムを見ることも出来ず、ただ機械的に編集した。出来上がっても、作品として公開して意味があるのかどうか判断できずに、かわなかのぶひろさんと中島崇さんに見て貰い、二人の反応を見てようやく公開する気になった。その後、このフィルムの「自分」と、ビデオで撮影した上半身裸体で、うそ、何言っての馬鹿、違う、とかの否定の言葉ばかり述べる「自分」と、生身の「自分」との三者鼎談というか、話し合いというか、とにかく「フィルム」と「ビデオ」と「生身」とが言葉を交わすパフォーマンスを行い、このフィルムの「自分」を抜けることができた。自分なんてあてにならいよ、という考え方の出発点に立てたというわけ。こういうことは誰かがやっておかなければいけない、それを自分がやったという自負もある。制作1980年。作者、45歳。



 カメラに面と向けないで、後ろ姿からの撮影で始める
「リップシンクロの同期が取れない」が言い訳

 意を決してから、
いろいろと背景を換えて変化を付ける

 無人で回っているカメラ・ORIKON

 当時、原稿を書くにの使っていたペン先

 詩人・菅原克己さんの出版記念パーティで

 カメラに後ろに架空の観客を想像して

 山田脩二写真展で

 カメラを覗いている鏡の中の自分



撮影・構成・編集:鈴木志郎康

登場する人たち:鈴木麻理、草多、菅原克己さん、若林奮さん、写真で金井勝さん、富山加津江さん、その他の人たち

使用カメラ

ORICON CINEVOICE

 BEALIEU R16

DOCUMENT


 渡辺洋さんが『15日間』で「わたし」が喋っている言葉を採録して、エキスパンデッドブック版として公開いるので、ダウンロードして読むことが出来ます。


渡辺洋・「すみれ文庫」第2期第1回配本・鈴木志郎康『15日間』(映画『15日間』ハイブリッド・テキスト版)

鈴木志郎康『15日間』採録テキスト


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