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from "Multimedia birds of America"


川本真知子のページ


  自分で書いた詩を読み返してみると、もうとっくに忘れてしまった過去の出来事や気持ちなのに、糸を手繰り寄せるように、呼び起こすことが出来ることがあります。私にとって、詩は、心のうつし鏡なのだと思います。かたちのない感情の機微、名づけられたことのない空気の流れをすうっと感じさせるようなそんな詩が書けるようになりたいと思います。
  風貌も、悩みも、楽しみも変わりました。だから、書く詩の雰囲気も変化してきたと思います。その一方で、変わらない自分(詩)というのも当然あって、「らしさ」というものがいかに心に深く刻まれているかということを恐ろしくも感じることがあります。このことは5歳で心優しい子供もいれば、80歳になっても、実にまめに動きまわって人をいじめる人のいることからもよくわかります。
  ちっとも成長せず変わらない自分にいらだっていた頃、女友達Mは、二つ の術を教えてくれました。
「どんな状況でも、できるだけそこでベストなものを見いだすこと」
「自分の過ちを時には笑い飛ばせるユーモアを持つこと」
  変わらない、いやな自分はそのまま。けれども、すこし変わったのは、こ うした気楽さを身につけたこと。どうやら詩は、私の変化していく部分と変わ ることのない部分をうつしているようです。
                                              (川本真知子)

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