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マンガの作者は、倉金章介

あんみつ姫


はるあさきひの
ひだまりの
にっこうしゃしんの
そのやみの
朱き姫の
ししむらの
ひとつかみ……

水の鏡に燃えている毛
まだ鳴き声の消え残る
去年の空蝉入りの枕を抱いて
姫よ!
狂ってみせるしか
明日はないか

ああ、淋しいひとほどよく笑う
たとえば夕暮の銀座で
イチゴのお土産を買ってかえるひとにしても

はるおそきひの
みずたまりの
ちりぢりの
あおじゃしん
そのうわずみの
朱き姫の
うなじにくさる
みずすまし……

旧盆の糸底に千代紙の錆は浮く
まだ父王の口臭の残った
昨日のガーゼ伝いにお茶をすすって
姫よ!
死んでみせるしか
明日もないか

ああ、淋しいひとほどはやく逝く
たとえば紙のカブトをしっかりかむって
連続放送劇のつづきを気にしながら
不意に落命する幼児にしたところで



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