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うねうねと折れた狭い道を
あてずっぽうに歩いていくと 不意に
目の前に石段が現われて
そこをのぼると次はくだり坂
おりたところに
疲れ気味の 木造二階だて
木の板に
ほたる坂アパートと書いてあった
そんな風景を夢でみたことがあって いま
わたしは谷中の道を歩いてきた
ほたる坂アパート その一室に
幼年のわたしが住んでいて
何をして暮らしているのかといえば
三六五片もあるジグゾーパズルを
くっつけたりばらばらにこわしたりして
何かの終わるのを待っているのだった

何かがいきなり始まるのを
待っているのだった





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