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6

大川の花火の音を
聞きながら
モルタルのアパートの
物干台で
紙袋から線香花火をとりだした

金だらいに張った
なまぬるい水に
焼けた滴がしたたり落ちて
ジユツと
ちいさな悲鳴があがった
かたわらで
ユカタ姿の幼女がおびえ
しやがんだまま
目を閉じた

うだる暑さのなかに閃光きらめき
燃える滴は何度も降った
かたわらの
ユカタ姿の老女は目を閉じ
お題目を唱えていた





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