某月某日、高尾を訪う 紅葉に誘われ ふらふらっと 薬王院のかたわらで おばあさんが 道にこぼれた葉っぱを一枚 指でつまんで拾いあげ 陽にかざし その裂片を数えていた、 ちいさな声で 呪文のように イ・ロ・ハ・二・ホ・へ・ト (色は匂へど 散りぬるを) 某月某日、高尾を訪う かざぐるまを購う 金二五○円也
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