『Intrigue』Vol.2

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ろうそく

ろうそく

                  恩地 妃呂子

御堂の天井は高く
足元に冷気が溜まっている
いつものパジャマ姿ではなく
赤やグリーンの服を着た寮生が
今夜は 私たちが
クリスマスの木
 マラナタ
 マラナタ
御堂の天井は高く
祭壇の上の短いろうそくでは
光が届かない
そんな小さなともしびを受け 
 マラナタ
 マラナタ
歌声を響かせ
命の酒をつぐように
炎は 私たちをつなぐ
四十二のろうそくの火は
剣のようであり
花のようであり
天井を照らし
やがて離れても
一つの小さなともしび
から生まれた


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