恩地 妃呂子 御堂の天井は高く 足元に冷気が溜まっている いつものパジャマ姿ではなく 赤やグリーンの服を着た寮生が 今夜は 私たちが クリスマスの木 マラナタ マラナタ 御堂の天井は高く 祭壇の上の短いろうそくでは 光が届かない そんな小さなともしびを受け マラナタ マラナタ 歌声を響かせ 命の酒をつぐように 炎は 私たちをつなぐ 四十二のろうそくの火は 剣のようであり 花のようであり 天井を照らし やがて離れても 一つの小さなともしび から生まれた
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