みずちゃんみずちゃんは いろんなことをやってて いろんなことを知ってる みずちゃんは いつも ウチらに 新しい世界を見せてくれる
かんちゃんかんちゃんは ウチと おんなじくらい のんびり屋だ でも 心の中はいつも 忙しく動いている 詩の中に その情熱がこもる ぜひ紹介したかった2人です。 彼女らと恩地は同じ職場の友人です。 3人で、詩の交換ノートをつくっています。 今回の作品は、書き下ろしです。 では、どうぞ!(恩地妃呂子) |
イカリみずちゃん 光にうかぶ ボクと君 手をにぎってさえいれば 髪の香りをかいでいれば そのうち着くと思ってた 君の耳はボクの耳 君のヒトミはボクのヒトミ 君の姿はボクの姿 君の命はボクの命 でも つらいことがあったのさ あの日の夜は びしょぬれで 痛い雨はやさしくて ボクにしみこみ ボクにあなをあけ ボクは地面にとけてった でも おかしなことがあったのさ 大事なはずの君のハネ 白くて大きな君のハネ ボクは折りまげ ボクはたたきつけ ボクはふんで消してしまった 君があんまりそばにいたから ボクが手首を切った時 君もいっしょに切ってしまった ボクがもっと強ければ 舌をかんだりしなければ やさしい君とくらせたね 君がボクの母になるから ボクがノドを突いた時 君もいっしょに死んでしまった 君がもっと強ければ バカなボクをなでてくれれば ずっといっしょにいられたね 「あの人」かんちゃん あの人に会った 流行のモードな服とか 大人っぽいスーツとかじゃなく 割と地味めのワンピース そういうのが似合う人 だから何となく油断してたけど 一緒にいると自分が子供だという事を 自覚させられる 憧れだった あの人の恋人に会った あの人が選んだ あの人を選んだ 人 自分の周りにいる誰とも 違う人 憧れだった その恋人は あの人に向けるのと 同じまなざしを 私に向ける 私は素早くあの人の表情を 盗み見た その度に 私はあの人の表情を変えるほどの 女ではない事を知る 慕情とプライドが 頭をもたげ 私を激しく突き上げる ある日 ついに 私はその恋人を 奪ってしまった 今 私のそばには もういない その恋人は意外にも 平凡な人だった ヒカリゴケも 光がないと ただのコケでしかない様に あの人が恋人を 輝かせていたんだって事 私じゃダメなんだって事 あの人は知っていたと思う |