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太鼓橋のまんなかにたたずみ
心字池をおおう藤棚を見ている
うす紫の時間を眺めている

池のあっち側のほとり
フルムーンのポスターから
抜けだした男女が
匂いの棚を見あげている

藤の花あやしき夫婦休みたり、
天明のモダニストは
そう詠んだけれど
あやしきって、こりやなんだ?

垂れさがる花房を見つめる
上原謙と高峰三枝子か、なんて
太鼓橋のまんなかでふと思ったりして





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