浜木綿のかげに運動靴を置いて はだしになった ぼくを見ているのは 鴎 うみつばめ おおみずなぎどり 秋の海は 流木と風ばかりで 水ぎわまでの砂もつめたい ぼくはあした遠くへ行くけれど 夏のあいだ 海には不思議なおばさんがいて ぼくを見ていてくれたので ぼくはおばさんにもさよならをいわねばならない 踝まで水にひたして おばさんのようにふっくらと白い 水平線の雲を見ていた
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