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おばさんがある日




おばさんがある日
(もちろんぼくの脳細胞で)
詩を読んでくれた
だれかが いつのまにか
おばさんの手帳に書いた詩なのだそうだ
いいわね 読むわよ
(夏の朝には
おおきな里芋の葉っぱに
ちいさな露がひかっていて
そのひかりをひとことでいう
珠玉のようなことばがかつてあったが
きのうなくなってしまった──聴いてる?
また葉時計というものがあったが
風まかせだったから
時だけは
計れなかった──
なによこれ
へんねえ)
いつのまにか
ぼくは眠ってしまった




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