すずらんの実が、日毎に色づいていく
十日ほど前から、庭のすずらんの実が色づき始めたのに気がついた。先週は、雨の日が多く、葉の陰に潜んでいるような印象だった。今週になって、一昨日の強く吹いた木枯らしに頬を染めたというように赤くなった。よく見えるところに置いて、色の移りを楽しんで眺めたい。
粉川哲夫著『もしインターネットが世界を変えるとしたら』を読んで書評を書いた
粉川さんから『もしインターネットが世界を変えるとしたら』が贈られて来て、読もうと読もうと思っていながら、そのままになっていたが、書評の依頼が来たので、そのチャンスを逃さず読んだ。なるほど、このインターネットというメディアの先頭を行く人は、そんな風に考えているのか、と分かって面白かった。
粉川さんのサイトは、「Polymorphous Space」というタイトルが付いている。そのPolymorphousというものが、どういうものであるのか、この本を読むと分かる。「形が柔軟で多様な」というのが、その言葉の意味ということだ。粉川さんの主張としては、ポリモーファスなメディアの場は、個人の自由な相互交通が織りなし増殖していく網であり、それは人間を身体からの解放へと向かって行くものだが、一方でそれに対して、それを押さえ込もうとする国家などの組織という存在がある、という。
そういえば、11月12日の「東京新聞」に「インターネット中毒」が人に生活を破綻させるという記事が載っていたが、知らない人に対して、「インターネットは恐ろしいもの」、という印象を与える以外のものではないだろう。インターネットというメディアは、始めたばかりのわたしにはまだよく分からない。とにかく、これから自分たちが作って行くものだと思う。粉川さんのこの本は、その考えるよすがを与えてくれる。
木村夏樹さんからわたしの詩の翻訳を貰った
9日にMailの私書箱を開いたら、木村夏樹という未知の人からのMailに、わたしの詩「自転車にでひとまわりして来よう」が英語に翻訳されていた。とても嬉しかった。読むだけでなく、翻訳しようと思って貰えたのだ。早速、詩作品のサイトにそのページを増やした。
ホームページに「翻訳募集」の掲示をしているが、なかなかそういう人が現れなかったのが、木村さんがひょっこりとやって来て下さった。やっぱりインターネットだ、と思い、嬉しくなった。
楠かつのりさんのビデオ作品『夏の時間』を見た
「新たな映像表現の誕生 ─家庭用ビデオカメラの可能性」というテーマで、芸術文化交流の会主催の『夏の時間』の作品公開と谷川俊太郎さん、大林宣彦さん、それに作者の楠かつのりさんによるシンポジウムが、11月9日の午後、草月ホールで開かれて、わたしは作者の楠かつのりさんから招待されて、見に行った。一寸時間が早かったので、表参道から草月ホールまで青山通りを歩いた。以前感じたファッショナブルな印象が薄れていた。
会場近くなると、若い人が沢山歩いているので、この人たちもみんな行くのかと思ったら、その通りで、上映10分前で、既に殆どの席が埋まっていた。空いていた一番前の、ビデオプロジェクターの後ろの席で見ることになった。その代わり、シンポジウムでは、パネリストの谷川俊太郎さんや楠さんと目が合い、挨拶できて嬉しかった。
作品の内容は、少年の雰囲気が残る彫刻家青年が、失恋して、その気持ちから逃れようとして彫刻を作るが、自分を失いそうになったとき、不思議な老人に出会い、その老人が口ずさんだ「朝顔や、吹き倒されたなりで咲き」という一茶の句に感じて、元気を取り戻すという話。
家庭用ビデオカメラで、爽やかな、ちょっと退屈だが、楽しい映像作品が作れましたということなのであろう。カセットにして発売されるそうである。わたしは、谷川俊太郎さんがその老人役で、一茶の句を口ずさむというのが、意外なこととして面白く、楽しかった。谷川さんも年をとったなあ、と思った。
外付けハードディスクを分解する
先日クラッシュしたハードディスクを、どうせもう使えないのだからと、後学のために、中身を見てみようと分解した。カバーを外すのは簡単だった。ICが幾つか付いたボードとディスク本体が入っていた。カバーの外には「MADE IN JAPAN」とあったが、ディスク本体は「MADE IN SINGAPORE」と言うラベルが貼ってあった。
そのディスク本体の中を開くのには、苦労した。六角レンチでなければ回らないネジで蓋がしてあって、このネジを回すのに、六角レンチを持ってないので、ペンチで回そうとしたが、回らないので、カバーの一部をヤスリで削り、万力に挟んで回した。しかし、回転軸のネジは封印してあって取れないので、ドライバーでこじ開け、楔を挟んで、軸受けを壊して引き剥がした。鏡のようなディスクが4枚入っていた。そのディスクは、5つのネジでしっかり止められていて、取り外すことは出来なかった。(このトラブルについては「パソコンの話は人になかなかつたえられない」に詳しく書きました。)