1999年6月1日から30日まで


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  • 1999年6月24日

    しなだれかかる紫陽花。



      しなだれた紫陽花

    満開になった紫陽花が、このところの雨に濡れて雨水で重くなって、全体に前のめりにしなだれてきた。コンクリートの塀からがっぽりと取り外したような姿になった。こうなると、一層今年の花の量を感じさせられる。こういうことって、写真で見せられると、なるほどと分かるが、言葉だけで説明するとなると、厄介。手振り身振りで、こーんなに咲いてた、と手を広げて、紫陽花の花が前のめりにこうなっちゃって、と身体を前に屈めて見せるということになろう。例年には見られない紫陽花の花の姿。それを毎日見て感じているわたしの気分の方は、他人には見えない。それを伝えるとなると、更に厄介。というようなことを考えると、表現って本当に厄介。家の紫陽花のしなだれ方なんて、他人にはどうでもいいことだから。

    厄介といえば、先週、古いDELL OptiPlex GXproで、Windows98付属のソフトのレコーダー音声を録音しようとしたら、録音できなくなっていた。ビデオのキャプチャーでも、音声だけ入らない。ドライバが駄目になったかと更新したが駄目。その前に、「ViaVoice」というソフトをインストールして遊んでアンインストールしたが、そのせいかと、人に聞いてレジストリファイルを調べたがそのせいではないらしい。原因がわからない。で、OSをサインストールしたが、駄目。そこで、パソコン屋へ行って一番安い「SOUND BLASTER PCI 128」というサウンドカードを7000円余りで買って来て付けたら、録音に成功した。ところが、今度はCDの演奏の音が出ない。半日いろいろやっているうちに、CD-ROMドライブの音声出力のケーブルを新しく付けたサウンドカードに接続しなければいけないことに気がついた。何とも、当たり前のことを見落としていたわけ。ところが、そのケーブルのコネクターがまたこれまでついていたのは違うんですね、パソコンって厄介。



  • 1999年6月13日

    今を盛りの紫陽花。



      庭の紫陽花

      「草の影を刈る」の一場面
          「新映画事典」より

    紫陽花が色づき始めてから、色が変わるまであっという間だったように感じた。それとも、こちらが慌ただしい気分で過ごして、ろくに見てない内に色が変わってしまったのかもしれない。庭の紫陽花は、枝を間引かないから、雪が積もったように重なって咲いている。わたしは、紫陽花の花が好きだ。紫陽花の花は、小さな花が寄り集まって出来ている。それに倣って、いくつもの断片のシーンを集めた映画を、「あじさいならい」と名付けてつくったことがあった。14、5年前のことだ。以前作ったフィルムといえば、今年の秋に、横浜美術館でわたしの旧作を何本かまとめて上映するという話が進んでいる。今週、先週と美術館の人にイメージフォーラムで試写をして貰っている。

    その試写で、1977年制作の「草の影を刈る」を久しぶりに見た。40歳を越えて、身体の衰えを感じながら、人生の後半を立て直して行こうとしている「わたし自身の生活」を約2年間、「個人映画」というものが成立し得るのかという問いを発しながら撮影した200分のフィルムだ。20年も経ってみると、それなりに感慨があった。その当時は亀戸の団地の6階に住んでいて、毎日のように窓の外を眺めては撮影した。「この窓の眺めも、ここを引っ越してしまえば、もう見ることは出来ない」なんて、映画の中で語っていたが、その通りになった。昔見ていた風景をスクリーンに映してみると、アルバムを見てこんなことがあったと懐かしがるのとは違う。結構生々しく、見た後、映画に使った音楽がふとした拍子に頭の中を流れ、現在の意識に重なってきて、あっちに行ったりこっちに来たりというような妙な感じで数日間を過ごした。慌ただしく、授業や会議や、パソコンに向かったりの時間の中で、着慣れた衣服に自分を確かめるというような、自分に浸れる時を持ったということだった。



  • 1999年6月9日

    ファイル名の不思議に出会う。



      Windows98のデスクトップのフォルダーウインドウ
    「A」に正式の名前が示される
    「B」には拡張子を隠した名前が付いている

    MacとWindows98の間で、ファイルをあっちに送ったりこっちに送ったりしていると、ファイルのタイプが結構気になる。開いたり開かなかったりするから。そこで、いろいろやっている内に、Windows98は一つのファイルに三つの名前が付いているということが分かった。まず、ウインドウ上に示されている256文字まで使えるという名前、それから、それに拡張子が付いた名前、そしてファイルのプロパティで示される8×3文字のDOSの名前。これが、Macに持っていったときどうなるかということ。そこで、開かなかったりするから、悩むことになる。MacからWindows98に行くと、Macでは堂々たるグラフィックファイルの「PICT」が単なるバイナリファイルになってしまう。つなみに、Macから送ったPICTのグラフィックファイルをクリックしたら、「WZエディター」がバイナリーで開いた。Windows98のPhotoshopは認知すらしてくれない。

    先日、プロバイダーからこの「srys」のサイトの全部のHTMLファイルと使っている画像ファイルをダウンロードして、CD-Rにバックアップとして書き込んだ。Windowsマシンではすいすい開いて、調子よく見ることが出来たので、Macではどうかとやってみたら、ブラウザーで開こうとすると、ファイルが見つかりませんとなる。フォルダーを開けてみると、ファイル名が8×3文字のDOSの名前になってる。「welcome.html」が「WELCOM.HTM」、「magekosi.html」が「MAGEKOS~1.HTM」となっていた。「barasinme.jpeg」は「BARASINM~1.JPE」だ。これでは、見つかりませんというのも当たり前、と思った。しかし、Windows98は「.JPE」なんていう拡張子で、jpegファイルを開いているのだろうか、と不思議思って、改めてWindowsマシンで見たら、フォルダーウインドウの中でそのファイルを選択すると、ちゃんと「barasinme.jpeg」という名前が出ていた。Windows98って、やっぱり中途半端という結論になった。どのOSでもファイル名を統一するということを早いところやって欲しい。



  • 1999年6月6日

    Windows98でMacを操り、MacでWindows98を操る。



      Windows98のデスクトップに現れたMacのデスクトップ


      Macのデスクトップに現れたWindows98のデスクトップ


    これは、MacのマシンとWindowsのマシンの間を行ったり来たりすることのお話。パソコン雑誌を見ていたら、MacのデスクトップからWindowsマシンを操れるという「Timbukutu Pro 4.8 for MacOS」の記事が出ていたのを読んだ。どんなものかと好奇心に駆られて、先日パソコン店に行ったとき平積みになってなっていたので買ってしまった。Windows版も買わなくては、Windowsマシンは操れないので、Windowsソフトの売り場に行って聞いたら、そんなソフトはないという。英語版はあるかもしれないけど、置いてない、ということだった。雑誌にはWindows版ソフトもあると書いてあったぞ!と思って、通信ソフト専門の店ならあるかも、と行ってみた。しかし、店頭にはなく、注文すれば取り寄せるというので、とにかく、「無ければ、Windowsマシンを操れないじゃないか」と、内心少々怒りを感じながら注文した。怒りを感じて買わないというのは当たり前だけど、怒りを感じながらも買うという心理もあるのだ。パソコン相手だと、どうも屈折してくる。

    そして、一週間ほどして入荷の電話が入って、取りに行った。Windows版は「Timbukutu Pro 32」というソフトで、茶色の段ボール箱に入っただけの無愛想な姿だった。イラストを描いた化粧箱に入ってないところは、プロ向けという感じがして、優越感を刺激される。が、考えてみれば、WindowsマシンからMacを操ろうなことを考える者は少ないから、日本語版を作って化粧箱に入れて売り出すまでに至っていないのだろう、と思った。実際買ったソフトは英語版だった。そういえば、Macの売場にはWindowsマシンと接続するソフトはいろいろあるのに、Windowsの売場では、そういうソフトは余り見かけない。Macには「PC Exchange」があって、Windowsの存在を一応は考慮しているのに、Windowsの方はMacをまるっきり無視だ。というより、その能力がない。融通が利かない。

    わたしのところでは、文書を作る仕事をする場所と、映像関係の仕事をする場所とを分けている。わたしがよく使うWindowsマシンは、映像関係の仕事をする場所の一番奥に、ビデオデッキと接続して置いてある。Windowsマシンは、PentiumProが付いたDELL Optiplex GXProという中古。同じ部屋の中にあるけど、16ミリフィルムの編集機や映写機の間をすり抜けて行かなければならないので、ファイルの交換にいちいちフロッピーを持って行くのも厄介だし、ビデオから取った画像ファイルは容量が大きくてフロッピーに入らないから、Ethernetケーブルで何とか出来ないものかという思いがあった。それで、WindowsからMacに接続する「PCマックランfor Windows95」や、MacからWindowsに接続する「DAVE」などを試みたが、片手落ちというか、一方通行なのが気に入らなかった。そういう事情があったので(、というのは、いいわけに過ぎないとは思うけど)、MacとWindowsを接続できるという「Timbukutu Pro」の記事が目に入ったというわけ。

    さて、いよいよ「Timbukutu Pro 4.8 for MacOS」とWindows版「Timbukutu Pro 32」がそろったので両方のマシンにインストールしてみた。そして、Windowsマシンで「Timbukutu Pro 32」を起動した。相手のMacマシンはPowerMac8500。その接続はTCP/IPで接続するという、そこで一つ躓く。わたしのところでは、仕事場に置いてあるパソコンはEthernetケーブルで繋いで、ルータを通してISDN回線でプロバイダーに接続している。その際、各マシンにはDHCPでIPアドレスを振っている。つまり、マシンに固有のアドレスを付けてない。だから、「Timbukutu」が相手のマシン、この場合PowerMac8500のIPアドレスを聞いてきても、「困った!」となったわけ。じゃ、固有のIPアドレスを付ければいいじゃないか、ということだが、ルーターを導入した際、それをやって、プロバイダーとうまく接続できなくなって、各マシンに固有のアドレスを付けるのを止めていた。これが「困った」のわけ。買ったソフトが使えない、という思いが頭を熱くする。しかし、「Timbukutu」を使う以上、IPアドレスは必要。頭を冷やして考えたら、DHCPでももちろんIPアドレスは必要なわけで、それをルーターが自動的に割り振ってくるだけのこと。従って、PowerMac8500のコントロールパネルの「TCP/IP」を見れば、そこに割り振られたIPアドレスが出ている筈。そこで「TCP/IP」を開いてみると、「192.168.0.2」と出ていた。Windowsマシンに戻って、このIPアドレスを打ち込み、「Services」のプルダウンメニュの「Control」を選ぶと、WindowsマシンのデスクトップにPowerMac8500のデスクトップが一つのウインドウとして現れたのだった。これは、感激だった。そのウインドウの中で、ワープロソフトのJeditを起動するとちゃんと起動する。そして、文字を打ち込み漢字の変換もできた。ただキーボ−ドが違うので、記号のキーを探すの手間取る。でも、まあWindows98のデスクトップでPowerMac8500がそのまま使えるということは確かだ。つまり、1台のPCマシン上でWindowsとMacの2台のマシンが操作出来ることが証明されたというわけ。どういう風に使うかはこれから。





    さて、WindowsマシンからMacを操作できたので、こんどはMacからWindowsマシンをを操作出来るかどうか。メニュバーに埋め込まれたアイコンから「Timbukutu Pro」を起動する。インターフェースがWindowsの場合と違って、こちらは「接続」「接続ビジター」「ビジターアクセス権」「サービス」などが別々のウインドウで出てくる。「TCP/IP」の接続を選んで、DELLGXPROマシンのIPアドレス192.168.0.4を入れて、「サービス」の中の「コントロール」をクリックした。すると、「DELLGXPROのユーザーの接続許可を待機中」というアラートが出て、暫く待っていると「DELLGXPROをコントロールすることはできません。別のビジター名とパスワードを試して下さい」と返された。ここから、丸半日の試行錯誤が始まった。そもそも、Windows上の「Timbukutu Pro 32」にビジター名やパスワードを登録したことがない。コントロールの確認のダイヤログボックスでも、「一時的ビジター」しかボタンが活きてなかった。だから、その「一時的ビジター」で接続しようとしているわけで、それで「接続できない」と返されたのでは、どうしたらいいのか。やり方が分からないので、何度も繰り返すが、結果は同じだった。「TCP/IP」で接続を試みているのに「AppleTalk」が活きているのがいけないのかと、「AppleTalk」を切ってやってみたが同じだった。それで、その日はあきらめて止めた。

    さて翌日、Windowsマシンの「Timbukutu Pro 32」を起動して、いろいろ見ていると、「Activity log」という項目がったので、それを開くと

    99/06/01 10:30:12   Ask For Permission - Control  Admit    shirouyasu  PowerMac8500    
    99/06/01 10:30:46   Ask For Permission - Control  Request Cancelled    shirouyasu  
    99/06/01 10:33:38   Ask For Permission - Control  Admit    shirouyasu  PowerMac8500    
    99/06/01 10:34:12   Ask For Permission - Control  Request Cancelled    shirouyasu  PowerMac8500    
    99/06/01 10:34:20   Ask For Permission - Control  Admit    shirouyasu  PowerMac8500    
    99/06/01 10:34:21   Ask For Permission - Control  Request Cancelled    shirouyasu  PowerMac8500 
    

    というログが繰り返されていた。そこでようやくWindowsマシンの方が許可を出さないといけないのどと気が付いた。Macから接続を要求して置いて、急いでWindowsマシンのところに行ってみると、「The following user is waiting for admittance.」というボックスが開いていて、そこの「OK」をクリックして、Macに戻るとMacのウインドウ上にWindows98のデスクトップが出ていたのだった。それで、ほっとした。それから、「Setup」からパスワードを入れて、「Security」から更に「Registered Users」に行って、ユーザーを登録するまでには時間が掛かった。

    MacとWindowsで互いの操作とファイルの交換が出来るようになったところで、いろいろとファイルを交換してみて、開けるファイルと開けないファイルがあるのを確かめた。「Timbukutu Pro 4.8 for MacOS」が日本語版で、「Timbukutu Pro 32」が英語版というところに問題が起こった。交換しようとするファイルの名称の日本語が、「Timbukutu Pro 32」のファイル交換ウインドウの中ですべて文字化けしてしまう。ファイルの中身は大丈夫だが、名前だけが文字化けする。Macから日本語版の「Timbukutu Pro 4.8 for MacOS」を通して送ったものも、ファイル名の日本語は文字化けしてしまう。その上、Macのファイルには拡張子がないから開けないものも出てくる。それをいろいろ試してみた。面白いのは、MacのJeditで作った文書に「.doc」の拡張子を付けて送ると、WindowsマシンではWordの書類になってしまった。ムービファイルは画像は失われても、音楽は残っていたりするというのも面白い。ムービーファイルは、取り込みの時の圧縮形式が問題になるようだ。開くかな、開かないかな、なんてやってると、鉄道模型で遊んでいるような気分になった来るのが面白い。



     

       








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